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活動報告

2014年度

◎国の第3次男女共同参画基本計画と2015年度(平成27年度)予算案について聞く会(2.24)詳しく読む

◎市川房枝政治参画フォーラム2014 国民生活保障のための新しいグランドデザインとは(2015.1.30-31) 詳しく読む
◎女性展望土曜カフェ(2015.1.24)詳しく読む

◎出前でトーク こんにちは、市川房枝ですin市川(11.17) 、広島(11.30)詳しく読む
◎ジェンダー平等政策サロン(11.29)詳しく読む
◎市川房枝政治参画フォーラ2014 争奪から分かち合いの社会保障制度をめざして(11.7-8)詳しく読む
◎女性を議会へ! 全国キャラバン 2015―統一地方選を前in青森(11.3)詳しく読む

◎スタディツアー「再生可能エネルギーに取り組む地域を歩く:栃木県那須野ケ原、福島県いわき」 (10.7-8) 詳しく読む

◎ジェンダー平等政策サロン(9.27)詳しく読む

◎出前でトーク こんにちは、市川房枝です(8.23)詳しく読む

◎脱原発1日セミナー 日本のエネルギー政策を考える (8.2)詳しく読む

◎女性展望カフェ(8.1)詳しく読む

◎ジェンダー平等政策サロン(7.26)詳しく読む

◎女性を議会へ!全国キャラバン2015統一地方選を前に in 石川(7.12-13)詳しく読む

◎2015統一地方選直前セミナー(7.4-5)詳しく読む

◎新企画ジェンダー市民塾'14 変わる世界/変われない日本?-ジェンダーのキーワードから学ぼう(6.6-7)詳しく読む

◎ジェンダー平等政策サロン2014 第1回 男女共同参画政策の推進と女性運動の役割―実りある協働のために(5.31) 詳しく読む

◎2014セミナー 今日のヨーロッパにおける政治教育の展開―ドイツを中心に(5.16、23)詳しく読む

◎市川房枝政治参画フォーラム2014 教育行政の民主化をどうはかるか すべての子どもに質の高い学びを保障するために(5.16-17)詳しく読む

◎女性を議会へ! 全国キャラバン 2015―統一地方選を前in島根(5.11-12)詳しく読む

◎憲法学習会 自民党改憲草案のどこが問題なのか(5.8)詳しく読む

◎女性を議会へ! 全国キャラバン 2015―統一地方選を前in長崎(4.19-20)詳しく読む

 

 

 

国の第3次男女共同参画基本計画と2015年度(平成27年度)予算案について聞く会(2.24)

2015年度は、国の第3次男女共同参画基本計画実施期間(5年)の最終年に当り、1月からは同計画の改定作業も進められている。2月24日、当センターは日本婦人有権者同盟と共催で、恒例の標記の会を開催した。昨年同様に、①計画推進に関わる主な施策-特に新規・重点事業と予算案の内容、②計画の「成果目標」に関連づけた施策の予算付け等について、内閣府男女共同参画局、文科省、経産省、厚労省、農水省の5府省から詳細な資料を基に説明を受けた。来年度も各府省で男女共同参画関連予算枠において「女性の活躍推進(促進)」が優先課題と位置づけられており、事業実施の動向が注目される。参加者42名。

詳細は『女性展望』5-6月号に掲載予定。

市川房枝政治参画フォーラム2014

国民生活保障のための新しいグランドデザインとは(1.30-31)

サブタイトル「自治・分権時代の自治体議会。議員の役割」のフォーラムに、12都県から33名(うち現職議員27名)が参加した。
初日は江藤俊昭さん(山梨学院大学教授)が「いま問われている地方議会のありかた」と題して講演。全国各地の自治体の先進事例を紹介しながら、まちづくりに住民を巻き込んだ議論が必要だと提案。それを通して議会の現場を知り、選挙に出てみようという住民も出てくる、それこそ市民教育だと語った。

 

夕方は、懇親会をドキュメンタリー映画「日本と原発」の上映会に切替え、終了後、地元で上映会をしたいという声が多く聞かれた。

 

2日目午前は井手英策さん(慶應義塾大学教授。写真)の「いまなぜ地方分権が必要なのか―日本財政転換の指針」。1981年に法人税増税後は増税と減税がセットで行われ、今回の消費税増税は33年ぶりの純増税となった。小さい政府の日本は「何が無駄か」ではなく「なぜ増税が難しいか」が課題だ。歴史の踊り場にいる我々はアベノミクスの効果を評価し合うことより、成長に依存しない土建国家に代わるレジームを考えることのほうが重要だとした。

 

午後は菅原敏夫さん(地方自治総研)による「2015年自治体財政(速報・視点・課題)」。2008年の自治体財政健全化法により、財政の健全化を議会が監査、監視、保証する新しい仕組みができた。しかし、財政分析手法を自覚的に活用している自治体はほとんどない。議員は、赤字か黒字かを調べるより、借金がコントロールされているかをチェックすべきで、財政の健全化は議会の役割だと自覚を促した。

 

参加者アンケートには、「県議会では党派的な主張が全面に出るので、議会改革への議員の意識は必ずしも高くない」「財政論で新たな視点が得られた」「3月議会で予算審議が始まるので新しい視点を学べてよかった」などが寄せられた。

女性展望土曜カフェ(1.24)

ドキュメンタリー映画「日本と原発」私たちは原発で幸せですか

ドキュメンタリー映画「日本と原発」私たちは原発で幸せですか
「日本と原発」(製作・監督/河合弘之、構成・監修/海渡雄一、制作協力/木村結、2時間15分)は3.11後、丸2年をかけて制作された。この日の上映会には40名を超える参加者があり、上映後は監督の河合弁護士にミニトーク(写真)をお願いした。

映画は、住民の証言や当時の映像などを通して悲惨な事故の実態を伝えるだけでなく、原発のメカニズムや原発推進派の主張を覆す根拠をわかりやすく解説するなど、目配りの利いた構成だった。ラストは、北から順に海岸線につくられた原子力発電所をナレーションなし(音楽/新垣隆)で映し出す。安全神話を100%信じていた人も、信じていたわけではなかった人も、市民の視点で明らかにされた真実が知らされる。1人でも多くの人に見てほしい。

出前でトーク こんにちは、市川房枝ですin市川(11.17) 、広島(11.30)

11月17日、千葉県市川市を訪ねた。千葉は、市川が戦前から親しくしていた竹中繁さん(朝日新聞女性記者の草分け)の関係や、晩年、市民運動として提起した議員定数是正訴訟などの関係でも縁が深い。今回は、市川市男女共同参画センターで「歌&トーク 市川房枝の世界」を開催し、約70人が参加した。主催は財団と市川女性の集い連絡会&文化の部。Ⅰ部「みんなで歌いましょう!」では1930年、第1回全日本婦選大会で披露された「婦選の歌」(与謝野晶子作詞・山田耕筰作曲)を歌った。Ⅱ部ではDVD「八十七歳の青春」一部上映に続き、トーク「この父にして房枝先生あり」(仁科弥生さん)は、市川の父親像について生前の野田賢市さん(房枝の甥)から聞いた話を語った。「市川を21世紀日本に繋げる」(進藤久美子さん)は、戦前からの婦選運動の経緯を追いながら、戦時下における市川の活動と、その目指す先に何を見ていたかを語った。会場の地方議員らから、女性の政治参加が必要であると積極的な発言が続いた。

 

11月30日に訪ねた広島は、1920年に平塚らいてうらと創立した新婦人協会の運動で縁深く、当時から何度も足を運んだ地。今回は広島アンデルセンを会場に、参加者は大学生を含めて約70人。主催は財団と広島体験プロジェクトで、呉YWCAほかの協力を得た。日高みさお記念事業委員長が「大正からのご縁、広島を訪ねて」と題してあいさつ。当時の写真などもパワーポイントで紹介した。「八十七歳の青春」一部上映後、市川の晩年に国会図書館の政治談話録音にスタッフとして立ち会った山口美代子さんが、当時のエピソードも交えながら市川の素顔を語った。

引き続き、11のテーブルに分かれて、サンドイッチを食べながらのテーブルセッション「voices from ヒロシマ」。折しも解散総選挙の公示直前だったこともあり、話は政治、平和、教育など多岐にわたり、市川から何を学び、何を継承するかが熱心に語り合われた。

ジェンダー平等政策サロン(11.29)

第4回 生活保障システムとガバナンス

最終回は、大沢真理さん(東京大学社会科学研究所教授)から「生活保障システムとガバナンス―ジェンダーとお金の流れで読み解く」と題して、お話を伺った。アベノミクスの問題点、「生きにくい国ニッポン」の税・社会保障制度の機能不全、人口減少社会で働くことや子どもを産み育てることが社会・経済政策により「罰」を受ける、という再分配システムの「超不合理」などについて、豊富な時系列データや国際比較データの分かりやすい解説と説明があった。参加者からは「タイムリーなテーマで、大変よかった」「非常に役立つ内容を提示していただいた」などの声が寄せられた。十分時間をとった意見交換も「議論が多角的に広がった」などと好評で、重要な政策テーマについてジェンダー視点からじっくり学ぶ「サロン」の良さにも理解が広がってきたように思う。

来年度も引き続き多彩なテーマで、4回シリーズの「ジェンダー平等政策サロン」(5,7,9,11月)を開催する予定である。

市川房枝政治参画フォーラム2014

争奪から分かち合いの社会保障制度をめざして(11.7-8)

今回は13都府県から41名(うち現職議員30名)が参加。

初日は浜矩子さん(同志社大学大学院教授)が「アベノミクスと社会保障」と題してエコノミストの立場で基調講演を行った。冒頭、安倍政権の政策文書や総理演説などを分析し、アベノミクスと社会保障という概念は非常に相性が悪いと断じた。そして経済活動を奪い合いのシェアから分かち合いのシェアへ変えていくことで社会保障を実現できるとし、多様性と包摂性の先に日本国憲法があり、現行憲法を「一言たりとも変えてはいけない」と結んだ。

 

2日目午前は角田由紀子さん(弁護士)による「女性の人権と自治体の取り組み」。日本女性の地位(人権状況)は世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数では104位であると国際比較し、2014年11月に内閣府が発表した女性の活躍推進世論調査で性別役割賛成が44%と高かったことがこの104位に繋がっているとした。女性地方議員には、女性に対する暴力など、身近な問題の発見と対応が必要であるとし、2014年10月末から法務省で始まった「性犯罪の罰則のありかたに関する検討会」に対し、同省HPで議事録をチェックしながら意見を挙げ、刑法改正につなげてほしいと語った。

 

午後は、2014年6月改正案成立、15年4月施行予定の改正介護保険法について、小竹雅子さん(市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰)と小島美里さん(NPO法人暮らしネット・えん代表理事)が講演した。小竹さんは「もっと変わる!介護保険」と題して複雑な制度の改正点を解説、新座市議を経て高齢者施設運営に関わるようになった小島さんは介護現場から「自治体議会で主張してほしいこと」を縷々述べた。会場からは、90歳の母親に認知症が出たのをきっかけに「何でもカフェ」を始めた事例や、地域のたまり場となった「コミュニティカフェ」、介護保険を受けている人対象の「まちかどデイハウス」など、様々な実践例も語られ、問題の深刻さを共有した。

女性を議会へ! 全国キャラバン 2015―統一地方選を前in青森(11.3)

今回の全国キャラバンは11月の文化の日、青森は八戸のマリオンで開催。全国4カ所目にして、今年度最終回となった。八戸地域社会研究会との共催で、八戸市、東奥日報社、デーリー東北新聞社が後援した。参加者は約50名。
DVD「八十七歳の青春」一部上映、五十嵐暁郎・立教大学教授の基調講演「女性が政治を変えるとき」に続き、県下3人の女性議員(県議1期目の吉田絹恵、八戸市議6期目の伊藤圓子、鰺ケ沢町議5期目の鶴田悦子さん)が「私の議会レポート」を事例発表した。午後は、ノウハウ伝授「住民参加型選挙運動の実際」とシンポジウム「青森の政治・社会風土が女性の政治参加を阻んでいる?」。パネリストは清藤敬さん(東奥日報社論説委員)、佐藤恵子さん(ウィメンズネット青森理事長)、上野スズ子さん(前神奈川・南足柄市議)と五十嵐暁郎さん=コーディネータ兼。女性が目立つことを嫌う風土の中でいかに女性が出にくいか、他方で女性たちの変化が徐々に見えてきている様子もうかがえた。

(詳細は『女性展望』2015年1-2月号掲載予定)

スタディツアー「再生可能エネルギーに取り組む地域を歩く:

栃木県那須野ケ原、福島県いわき」 (10.7-8)

10月7~8日、標記のツアーを行った。参加者は8月の脱原発1日セミナーに参加した地方議員を中心に21名の女性たち。
両地ともセミナー講師の活動拠点で、那須野ケ原では同土地改良区連合の農業用水路の落差を利用した小水力発電所を訪ねた。明治時代から、先人が荒れ地を切り拓いてきた歴史の中で、地域に密着した循環型の自然エネルギー開発がどのように進んできたかを目の当たりにした。

いわきでは、いわきおてんとSUN企業組合のコーディネートで、原発と津波の被害を受けた福島の現状を、いわきと福島産の食材販売をしている人や、住居居を転々とし、現在も仮設住宅で暮らしながらオーガニックコットンの人形作りをする被災者、事故当時東電福島第1発電所で働いていた若者、復興商店街の女性たちから話を聞いた。太陽光の市民発電所の後、バスは楢葉町(避難指示解除準備区域)から富岡町へ入り、居住制限バリケードや、被災当時のままの富岡駅(写真)周辺も訪ねた。車窓からは、「あの時」のままの無人の家や、放置されたままの放射性廃棄物の山を各所で見た。「来て、現実を見てもらうことが何よりの支援」と口々に言われたが、那須野ケ原での出会いを含めて「今後考えなければいけない様々な課題に気づかされる」旅となった。目下、参加者のツアー報告書を作成中。

ジェンダー平等政策サロン(9.27)

第3回 経済における女性のエンパワーメント

9月の「ジェンダー平等政策サロン」は、「経済における女性のエンパワーメント」がテーマであった。岩田喜美枝さん(公益財団法人21世紀職業財団会長)をお迎えし、主に企業経営の視点から、経済における女性の活躍が必要な理由、企業がかかえる課題とそれへの対応についてお話を伺った。女性の活躍は、①育児をしながら仕事が継続できるか、②役員・管理職への登用などキャリアアップができるかの2視点からの対応が必要だが、国や地方自治体、企業の取組みはこれまで②が弱かった、と。だが近年、産業界が、安倍首相からの要請もあり「残業当たり前の常識を変える」ため仕事の仕方や働き方の見直し、女性の育成・登用にむけたポジティブアクションの取入れ等に動き出した、とさまざまな事例を紹介しながら解説された。これらに対し、非正規女性の問題をどう考えるかなど熱気あふれる質疑応答があり、課題の共有化ができた。

出前でトーク こんにちは、市川房枝です(8.23)

昨年10月の金沢に続き、長野県松本市のMウィングで「出前でトーク」を行った。共催は、市川房枝が創立した日本婦人有権者同盟の松本・大町・塩尻支部で、同長野県支部連合会が協力団体に名を連ねた。地元紙にも紹介され、参加者は同盟会員を中心に県内各地から約60名。
最初に市川房枝生誕120年記念事業委員会の日高みさお委員長が主催者あいさつ、共催・協力団体を代表して丸山かず子県連会長があいさつ後、DVD「八十七歳の青春」を一部上映し、山口美代子記念事業委員が「私の見た市川房枝さん」をテーマに講演した。

懇談では、長野を訪れた市川に接した折の思い出などが次々と語られた。「介助しようと手を出したら、迷惑をかけまいと、パチリと払われた」「1週間カフマンハウスに滞在された時、糖尿病食の世話をしたが、服装は質素だった」「公民館の床が抜けるほど大勢の人が先生の講演会に集まった」(大町・小諸)、「DVDを見て同盟には市川先生の志が息づいていると改めて思った。これを次世代にどうつなげていくかを皆で考えよう」など。瀧澤和子松本支部長は「自由も平等も人権も当たり前のようにあったわけではない。昨今の社会情勢に民主主義の危機を感じ、出前を共催することとした」と経緯を語った。母娘2代の会員や、理想選挙で当選した元・現地方議員も参加した。最後に、日高委員長が「車の両輪のごとく歩んできた」同盟と財団がともに発展していこうと挨拶して閉会した。

脱原発1日セミナー 日本のエネルギー政策を考える (8.2)

12都県から30名(うち現・前議員22名)が参加。飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)は基調講演で「3.11」は明治維新、敗戦に次ぐ日本の第3の転換期だと位置づけ、省エネ・節電の成功によって「電気が足りる・足りない」の議論は終わったとした。今や世界の自然エネルギーは新規電源の56%(前年比8.3%)、世界のエネルギーの19.1%を占め、6500万人の雇用を生んでいる。原子力が退潮し、集中から地域分散型エネルギーに移っている諸外国の事例と、日本国内でも各地でコミュニティパワーが立ち上がり、今年5月には「全国ご当地エネルギー協会」が発足したことも紹介しながら、「大きな流れは私たちにある」と締めくくった。
パネルディスカッションでは、島村守彦(いわきおてんとSUN企業組合事務局長)、鈴木亨(市民風力発電代表取締役)、星野恵美子(那須野ケ原土地改良区連合参事)の3氏が太陽光、風力、小水力の再生可能エネルギー取り組みの現場から実情と問題提起を行った。

参加者アンケートから「メンバーの構成がよかった」「原発に依存しない持続可能なエネルギー社会づくりを目標にしたい」や「時間的に自治体で何ができるかまで踏み込めなかったのは残念」といった感想が寄せられた。

女性展望カフェ(8.1)

毎年8月は首相や閣僚の靖国参拝問題がマスコミを賑わす。「靖国問題の現状と本質」をテーマに、高橋哲哉氏(東大大学院教授)を講師に迎えた。参加者約40名。靖国問題は1960年代、自民党の靖国神社国家護持法案提出を機に初めて国内問題化した。85年中曽根首相は公式参拝して中国に抗議され、翌年から中止。その後私的参拝をする首相は後を絶たなかった。小泉首相は中国や韓国から抗議されても参拝を続け、「屈しない」姿勢に共感する若者もいた。そして昨年末の安陪首相の参拝で日本は国際的に孤立した、と振り返った。大東亜戦争下の雑誌記事や国策映画「靖国神社」を上映し、「可能な限りの栄光を戦死者とその遺族に与えて、戦場に死ぬのが幸福であると感じさせなければならない」(福沢諭吉)と戦死者を国民が受け入れる装置がいかにつくられたかを明らかにした。

ジェンダー平等政策サロン(7.26)

第2回 韓国におけるジェンダー平等政策と女性の社会進出

男女共同参画・ジェンダー平等政策の情報交換とネットワークづくりをめざす「サロン」は今回、春木育美さん(東洋英和女学院大学准教授)から韓国のジェンダー平等政策の現状とその背景についてのお話を伺った。1997年の通貨危機(経済危機)がグローバル化に向けての社会変革を促し、その変革に随伴する形でジェンダー平等政策とジェンダー意識の変容が課せられたこと、2000年のクオータ制導入を契機に女性国会議員比率が日本の2倍近くに達している現実など、同じ儒教文化の国の示唆に富む政治的取組みが解説された。さらに、兵役義務のある社会がジェンダー平等をめざす時の女性の「立ち位置」やグローバル化の下で強いられる過酷な働き方に、どう「女性的視点」を組み入れるかなど、日本社会も抱える問題が活発に意見交換された。

女性を議会へ!全国キャラバン2015統一地方選を前に in 石川 (7.12-13)

長崎(4月)、島根(5月)に次ぐ第3段。企画段階で女性地方議員比率全国ワースト3位であったことが石川県訪問の理由(最新データではワースト4位)。共催・大学女性協会金沢支部、後援・金沢市、北國新聞社。参加者延べ約120名。
初日は、「八十七歳の青春」を一部上映して市川房枝のメッセージを久保事務局長が伝えてから、シンポジウム「女性議員が必要な理由」。酒元法子さん(能登町議)、広岡立美さん(前石川県議)、細川かをりさん(福井県議)、水口裕子さん(内灘町議)、山本由起子さん(金沢市議)らのパネリストがそれぞれの経験から訴えた。引き続き終了後の交流会にも多くの方が参加し、予定時間を超過するほど、率直な意見交換が行われた。
2日目午前中はノウハウ伝授「私たちにできる選挙運動―住民参加型選挙とは」。大河巳渡子さん(調布市議)と鈴木規子さん(西尾市議)が選挙ポスターなどを掲げながら、選挙運動の実践例を語った。2グループに分かれての話し合いでは、立候補の可能性に言及する人もあった。午後はクロストーク「石川県の風土を変えられるか」。赤井朱美さん(元TVディレクター)、常光利恵さん(志ネット 石川理事長)、宮貴子さん(障がい者ガイドヘルパー)に五十嵐暁郎さん(立教大学名誉教授)がコーディネーター兼で加わり、白熱した議論が展開された。
(詳細は『女性展望』9-10月号掲載予定)

 

2015統一地方選直前セミナー(7.4-5)

「議会はあなたを待っている」をテーマに、現職議員ら33名が9都県から参加した。
初日の基調講演は、浅野史郎さん(元宮城県知事)が自身の経験を交えて「地方議会の役割」を語った。続いて6月実施の韓国地方選挙と女性について李芝英さん(国民大学日本学研究所)が講演し、女性地方議員は3%前後であったが、2000年にクオータ制採用後は急速に増加し、今年は21.6%になったと語った。
2日目は鈴木規子さん(西尾市議)が住民参加型選挙の準備活動を説明後、青木美智子さん(小山市議)、井上温子さん(板橋区議)、田村みさ子さん(日の出町議)が「私の選挙運動」を語った。2グループに分かれた話し合いには柳沢伸文さん(元都選管)や山口みつ子当財団理事が助言者に加わった。午後は「ネット選挙解禁で、政治家と有権者の関係はどのように変わるのか」をテーマに市ノ澤充さん(パイプドビッツ政治山カンパニー)が講演。昨年の参院選候補者のメディア利用状況などを参考に選挙戦略の立て方やセキュリティ対策まで熱心に話し合った。

 

新企画ジェンダー市民塾'14

変わる世界/変われない日本?-ジェンダーのキーワードから学ぼう(6.6-7)

日本社会と世界をジェンダーというレンズで見ると、何が浮かび上がってくるのか。それは私たちの生活にどのような影響を与えているのか。1日半の市民塾では、これらを深く、またグローバルな視野からとらえる上で重要なツールとなるさまざまなキーワードを学んだ。そして現代フェミニズムとジェンダー主流化の歴史、家族と性、女性と労働、女性の政治参画、男女共同参画政策の歩みや関連データの解説と国連制作の最新DVD(テーマ:女性に対する暴力、ジェンダー予算、女性・平和・安全保障)、国際的な議論のまとめを通して日本の課題の理解を深めた。

講師は、目黒依子(上智大学名誉教授、家族・ジェンダーの社会学)、大槻奈巳(聖心女子大学教授、労働・ジェンダーの社会学)、進藤久美子(東洋英和女学院大学特任教授、アメリカ史、ジェンダー・スタディーズ)、矢澤澄子(元東京女子大学教授、ジェンダー・地域社会学)の4人で、家族・性・生殖、労働・経済、政治、政策(4領域)のキーワードについて、丁寧な説明と質疑が行なわれた。市議、市民、院生、研究者、出版社勤務、施設職員など多彩な参加者たちと講師の間で密度の濃い意見交換があり、2日目最後のまとめで行なった理解度チェックと講師コメントなども好評を得た。アンケートには「問題意識を多様な角度から提示する機会だった」「実社会の具体的な話も貴重だった」「充実した内容で時間が短く感じられた」などの声が寄せられ、男女共同参画・ジェンダー平等推進に関わる活動や政策づくりに役立つ新たなスタイルの市民塾として、一人ひとりがエンパワーする機会になったのではないかと思われる。女子大生数人もインターンとして運営をサポートしながらプログラムに参加した。全課程の参加者には修了証が発行される。

 

ジェンダー平等政策サロン2014

第1回 男女共同参画政策の推進と女性運動の役割―実りある協働のために(5.31)

今年も昨年に続き、ジェンダー主流化に関わる内外の幅広い課題を取り上げ、分りやすいレクチャーと意見交換を行なう当センターの「サロン」がスタートした。第1回サロンでは、講師の皆川満寿美さん(東京大学社会科学研究所特任研究員)より、日本の「わかりにくい」(政党)政治や選挙とジェンダー平等の関係、その現状を理解するための豊富なデータの解説があり、日本の政治に女性運動の声は届いているのか、男女共同参画政策がジェンダー平等推進に資するものとなっているのかなどの問題が提起された。東日本大震災からの復興過程に女性たちの声を届けるさまざまな活動の広がりを例に「実りある協働」に向けて「できること、しなければならないことは何か」との問いかけもあり、参加者との活発な意見交換が続いた。

 

2014セミナー

今日のヨーロッパにおける政治教育の展開―ドイツを中心に(5.16、23)

近藤孝弘さん(早稲田大学教授)を講師に、2週連続セミナーを行った。初回は「ドイツにおける政治教育の発展と現状」。17世紀、人口5万のゴータ公国で教育令が発せられ、当初から政治教育は学校教育の中心であり、王権の偉業を伝える非民主主義的な内容であった。ワイマール共和国の成立によって民主的な政治教育が始まるが、ナチス政権によって政治教育機関廃止、代わりに宣伝省が設置された戦前の歴史から、戦後初期、そして現在に至る政治教育の流れを概観した。特に1976年の「ボイテルスバッハ・コンセンサス」(教師が自分の考えを押し付けて生徒の自由な思考を妨げないことや、特定の論点だけを押し付けてはいけないこと、生徒が自らの関心に基づいて政治参加できる能力の育成など)は現在も生きていると。2回目は「個々の事例にみるドイツの政治教育の特徴」。政治教育が様々な教科によって行われている学校教育と、連邦や各州の政治教育センターを始め大学、メディア、自治体などによって進められている学校外教育の特徴を語った。そして「政治教育は、政治参加を促すよりも、政治参加の能力を育てることが重要」と括った。参加者アンケートには「政治教育について初めて学んだ」「政治教育と民主主義の大切さを改めて学んだ」という声があった。

市川房枝政治参画フォーラム2014

教育行政の民主化をどうはかるか すべての子どもに質の高い学びを保障するために

(5.16-17)

タイムリーなテーマに、16都府県から50(うち現職議員47)が参加して開催した。

初日は近藤幹生さん(白梅学園大学教授)が「子ども・子育て新支援制度の課題―地域・自治体の側から考える」をテーマに講演。30年近い保育園長などの現場経験を踏まえて、公立・私立の保育園、幼稚園、認定こども園、認可外の保育施設にはそれぞれに地域性や歴史、特徴があるが、党派や主張に関係なく、すべての子どもに保育を受ける権利を保障していくことが重要だと語った。

2日目は森田明美さん(東洋大学教授)が東日本大震災子ども支援ネットワーク事務局長としての活動から、被災地の学習支援から見えてきた子どもたちの居場所の必要性を語った。被災直後から岩手県山田町でゾンタハウスを運営し、困難な状況の中での子どもたちの変化を見続け、様々な変化の実態に即した「居場所」や政策が必要だと訴えた。

続いて佐藤学さん(学習院大学教授)が「教育行政の民主化をどうはかるか」と題して講演した。子どもの学ぶ権利(憲法26)は生存権(25)、幸福追求権(13)とともに成立したと前置きし、義務教育はライフラインであり、学び続ければ子どもは崩れない、学びはこどもの希望の中心だと語った。目下政府が進めようとしている教育委員会制度改革については必要なく、現場に混乱と機能マヒを起こしているとし、問題は政令指定都市のような多数の学校を抱える教育委員会が機能していないことであり、分割して緊密な連携をと提言した。また「学びの共同体」の提唱者として国内外での実践活動の紹介に合わせて、子どもたちの表情が笑顔に変わっていく写真がパワーポイントで多数紹介されたが、これは参加者アンケートでも好評だった。

なお消費者教育の観点から、阿南久さん(消費者庁長官)は「消費者市民社会への自治体の役割」を講演。消費者庁創設以来の取り組みを法制度の制定から、様々な取り組み事例を紹介し、国民目線の消費者行政の強化は「地方自治そのもの」だと強調した。

 

女性を議会へ! 全国キャラバン 2015―統一地方選を前in島根(5.11-12)

2日間で3つのプログラムを実施した。初日は島根大学で、同大学の「ポリレンジャー~若者の手で政治をよくし隊!~」との共催で「ポリンピック!―女性×若者×政治=?」を開催(参加者約50名)。女性と若者の政治参加の現状説明後、ワールドカフェ。なぜ若者(女性)が政治に参加したほうがよいのか、なぜ若者(女性)が政治の場に出てこないのか、なぜポリレンジャーや議員になったのかなど、5つのテーブルを移動しながら意見を出し合った。続いてパネルディスカッション。島根県議のはくいし恵子さんをコーディネーターに、東京板橋区議の井上温子さん、島根松江市議の岩本雅之さん、ポリレンジャーの石原遥菜さんら若い3人が政治にかかわるようになった経験を語った。会場を移してのミニセミナーでは、東京調布市議の大河巳渡子さんが住民参加型選挙運動とはどういうものか、選挙運動グッズを紹介しながら説明した。終了後は居酒屋でにぎやかにポリコン。若者の政治離れが進む中、東北の被災地のボランティア活動などをとおして政治を少し身近に感じ始めた学生たちのまっすぐな言葉に、心を打たれた。
2日目午前中は、松江市市民活動センターの一室で「島根の女性たちと『女性の政治参加』について懇談する会」を呼びかけ、現職議員や支援者、女性団体など9名の参加があった。午後は島根大学で毎熊浩一准教授の公開講座に参加。市川房枝生誕122年(5月15日)を目前にしたこの日、市川の生涯と目指したものを財団事務局長の久保が講演し、前述の井上、大河さんと前東京多摩市議の住田啓子さんがそれぞれの活動を語った。参加者約100名。

(詳細は『女性展望』7-8月号掲載)

 

憲法学習会 自民党改憲草案のどこが問題なのか(5.8)

講師の高橋哲哉さん(東大大学院教授)は、「戦後レジームからの脱却」によって「強い日本を取り戻す」と唱える安倍政権を取り巻く背景説明から始めた。グローバル経済による経済格差や、日本に対する米国の軍事費負担を求めるプレッシャー、韓国や中国のナショナリズムの高まりなどを背景に、いま日本ではタカ派的イデオロギーで日本を取り戻すという考えが多くの人の共感を呼ぶようになった。“憲法改正”をすればかつての強い日本に戻れるというマジックワードで日本を変えようとしている。自民党の憲法改正草案は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3大原則が大きく骨抜きにされており、そこを見抜くことが一番大事だと語った。

 

女性を議会へ! 全国キャラバン 2015―統一地方選を前in長崎(4.19-20)

来年の統一地方選に向け、女性議員の増加を訴えるキャラバン。市川房枝生誕120年記念事業の一環で、女性議員の割合ワースト1の長崎(5.4%。2012年12月末現在)を最初の訪問地に選んだ。共催・大学女性協会長崎支部、後援・長崎市。参加者約70名。
初日は、市川房枝のメッセージを国武雅子さん(長崎純心大学)がDVD「八十七歳の記録」を紹介しながら講演。続いて、中嶋玲子さん(元福岡県杷木町長)、大河巳渡子さん(東京調布市議)、清水絹代さん(山梨都留市議)、鈴木規子さん(愛知県西尾市議)をパネリストに、シンポジウム「女性議員が必要な理由」。選挙区事情は様々だが、女性が議会に出ていく必要性や意義をそれぞれの経験から強く訴えた。
2日目午前中は、前日の大河・清水・鈴木さんらによる「ノウハウ伝授・私たちにできる選挙運動―住民参加型選挙とは」。選挙運動グッズを掲げながら、選挙運動の実際を語った。2グループに分かれた話し合いでは、より具体的な質疑も行われた。午後は「クロストーク・この現状をどう乗り越えるか」。地元で長く取材をしてきた大嶋真由子さん(NCC長崎文化放送記者)、田崎智博さん(長崎新聞論説委員)に五十嵐暁郎さん(立教大学名誉教授)がコーディネーター兼で加わり、社会的、歴史的、文化的背景を様々に分析した。

今後島根、石川ほか、順次女性議員の少ない地域に出向く予定。

(詳細は『女性展望』7-8月号掲載)