- 会場:主婦会館
- 共催:市川房枝記念会女性と政治センター、賀川ハル研究会、主婦会館・主婦連合会、平塚らいてうの会
1919年11月24日「新婦人協会」が平塚らいてう、市川房枝らによって結成された。その100年後の同日に「新婦人協会100年記念のつどい」が関係5団体の共催で開かれた。
初めに、実行委員長の米田佐代子さん(つどいを呼びかけた平塚らいてうの会会長)による開会挨拶があった。次に、基調報告で女性史研究者の折井美耶子さん(同会副会長)が新婦人協会の2つの請願運動——治安警察法5条改正、花柳病(性病)男子の結婚制限——をあげて、前者が法律改正を実現して閉ざされていた女性たちの政治参加の道を切り開き、後者が性に関わる問題を取り上げたことを評価した。声を上げた女性たちの活動は、現在の#Me Too #With You にもつながり、次世代に継承されるべきものと示唆した。
後半は、孫世代によるトークで4人が登壇。奥村直史さん(平塚らいてう孫)は奥村博史と平塚とのパートナーのあり方について語り、冨澤康子さん(賀川ハル孫)は賀川のキャリア形成に注目し、現代でも参考になると指摘した。河村真紀子さん(奥むめお孫)は協会以後の奥の消費者運動、主婦連に至る活動について述べ、次世代へとゆるやかに繋がり広がる運動の可能性についてふれた。久保公子さん(市川房枝記念会理事長、市川房枝元秘書)は市川の遺志を受け継ぐものとして婦選会館創設から市川記念会女性と政治センターへと歩みを辿り、現在8万点の史資料を所蔵して研究者や諸機関に提供、政治教育に力を入れ、女性の政治参加を促して積極的な活動をしていると語った。
会場のクラルテ(奥むめお記念ホール)には133 名が参加し、最後に石岡克敏さん(主婦会館理事長)の挨拶があり、盛会のうちに幕を閉じた。このつどいは、新婦人協会100周年を記念して初めて5団体が協力し開催するという歴史的な試みでもあった。後日、『朝日新聞』(19年12月13日)に「私たちが動けば変えられる 平塚らいてうらの『新婦人協会』に学ぶつどい」が掲載された。本ホームページ「過去のイベント」、2019年10月30日「新婦人協会創立100周年記念シンポジウム」も参照されたい。(幸)